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階段40段以上、高低差10m以上。横須賀の谷戸の家

最終更新:2026年9月10日/出典は各項目に明記しています
横須賀市は、空き家の問題について「再建築が不可能あるいは極めて困難」と、市自身の計画に書いている市です。 そして谷戸の空き家バンクでは、対象を「車が入れる場所から概ね階段40段以上(高低差約10m以上)」と、 行政が段数で線を引いています。ここまで具体的に書いている市を、他に見つけられませんでした。

市が公表している数字

第2期横須賀市空家等対策計画(令和4年4月)から、平成30年住宅・土地統計調査に基づく数字を引きます。

項目数値
市内の総空き家数28,750戸
空き家率14.8%
戸建ての空き家9,480戸
うち腐朽・破損あり2,280戸

全国平均の空き家率が13.6%前後、神奈川県が10%前後とされるなかで、横須賀市の14.8%は高い水準です。

市自身が書いている一文

同じ計画のなかに、こういう記述があります。

「旧耐震基準、無接道・狭小敷地など既存不適格の物件で再建築が不可能あるいは極めて困難である

行政が自分の計画のなかで「無接道」「再建築が不可能」と書くのは、そう多くありません。横須賀の空き家問題が、単に人が住まなくなったという話ではなく、地形と道の問題だということを、市が認識しているということです。

出典:第2期横須賀市空家等対策計画(令和4年4月)

階段40段以上、という線引き

横須賀市には「駅周辺谷戸地域空き家バンク」という制度があります。対象条件がこうです。

車が入れる場所から概ね階段40段以上(高低差約10m以上)の場所に立地している中古住宅

対象地域は22地区。鷹取1丁目・2丁目から田戸台、深田台などが含まれます。

この「40段」という数字が意味しているのは、単に不便だということではありません。車が入らないということは、工事車両も資材も入らないということです。

市はこのバンクについて、マッチングのみで仲介は行わないと明記しています。また「横須賀一芸住宅バンク」「子育てファミリー等応援住宅バンク」との重複登録はできません。

出典:横須賀市「駅周辺谷戸地域空き家バンク」

再建築不可・接道なしの家を、いくらで買う会社があるか

43条の許可が取れるかどうかは市の判断です。並行して「今のままで買う会社がいくら出すか」を知っておくと、判断材料が2つになります。無料・査定だけでも可。

43条2項2号の許可基準を見る

横須賀市の接道の考え方は → 横須賀市のページ

谷戸の家に何ができるか

選択肢は、だいたい4つです。

  1. 谷戸バンクに登録して、住みたい人を待つ。費用はかかりませんが、市は仲介しないので自分で動く必要があります。
  2. 43条2項2号の許可を検討する。横須賀市の包括同意基準の数値は公開資料から特定できませんでした(未確認)。建築指導課への相談が最初の一歩です。
  3. 隣の家に相談する。接道していない土地は、隣地と一体になれば接道します。相手にとっても土地が広がるので、話が成立することがあります。
  4. 再建築不可のまま買う会社に売る。建て替えを前提としない買い方をする会社があります。金額は相場より下がりますが、時間と管理コストは止まります。

どれが正解かは、家の状態と、いくらまでなら待てるかで変わります。選択肢を比べるページで、それぞれの向き不向きを整理しました。

よくある質問

谷戸地域空き家バンクの対象になるのはどんな家ですか。
横須賀市の駅周辺谷戸地域空き家バンクは、対象22地区にあり、「車が入れる場所から概ね階段40段以上(高低差約10m以上)の場所に立地している中古住宅」を対象としています。行政が階段の段数で線を引いているのは全国的にも珍しい運用です。
市が売買を仲介してくれるのですか。
いいえ。横須賀市はマッチングのみを行い、問い合わせ対応や契約交渉の仲介は行わないとしています。実際の売買は当事者と宅建業者の間で進めることになります。
他の空き家バンクと重複して登録できますか。
できません。横須賀市は「横須賀一芸住宅バンク」「子育てファミリー等応援住宅バンク」との重複登録は不可としています。どのバンクに載せるかを選ぶ必要があります。
谷戸の家は再建築不可なのですか。
すべてがそうだとは限りません。ただし横須賀市自身が第2期空家等対策計画のなかで、市内の空き家について「旧耐震基準、無接道・狭小敷地など既存不適格の物件で再建築が不可能あるいは極めて困難である」と記述しています。個別の可否は、道の種別と43条の基準で判断することになります。

出典:第2期横須賀市空家等対策計画(令和4年4月)/横須賀市「駅周辺谷戸地域空き家バンク」(いずれも2026年9月10日確認)