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43条2項2号の許可基準は、市ごとに数字が違う

最終更新:2026年9月10日/出典は各項目に明記しています
先に結論を書きます。「幅1.8m以上の通路」という条件は多くの行政庁で共通ですが、 行き止まりの長さの上限外壁の後退距離は、行政庁ごとに違います。 そして横浜市だけは、個別同意基準で幅0.9mまで拾っています。 自分の土地がどれに当てはまるかは、まず「どの特定行政庁の管轄か」を確かめるところから始まります。

43条2項2号とは何か

建築基準法43条1項は、敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接することを求めています。これを満たさない土地は、原則として建物を建てられません。

ただし同条2項は、例外の道を2つ用意しています。

この2項2号について、多くの特定行政庁は包括同意基準を定めています。あらかじめ決めた類型に当てはまれば、審査会に個別に諮らなくてよい、という運用のための基準です。

ここが誤解されやすいところです。包括同意基準に当てはまることと、許可が下りることはイコールではありません。2項2号はあくまで「許可」であり、最終判断は特定行政庁にあります。「基準に合うから建て替えられる」と思い込んで購入・売却の判断をしないでください。

県内の行政庁の基準を並べる

各行政庁が公開している包括同意基準・許可基準のPDFから、数値が読み取れたものだけを表にしました。読み取れなかったところは「未確認」と書いています。

行政庁通路の最低幅員行き止まりの上限外壁の後退敷地面積高さ・階数
神奈川県敷地内通路 有効1.5m以上/道1.8m以上道路から35m以内(路地状部分も35m以内)記載なし100㎡以上高さ10m以下・階数2以下・戸数2以下
横浜市包括1.8m以上(中心後退2m)/2.7m以上/1.5m以上。個別同意基準は0.9mまで1.5m型は20m以下/0.9m型は15m以下記載なし記載なし記載なし
藤沢市4m以上(第8条)/1.8m以上4m未満(第9条)/専用型通路1.8m以上2m未満(第11条)第9条は35m以内/第11条は20m以内0.5m以上(第11条)協定通路の分割後 各130㎡以上一戸建ては地階を除き3以内、その他2以内
茅ヶ崎市1.8m以上記載なし0.6m以上100㎡以上地階を除き2以下・延べ床200㎡以内
厚木市1.8m以上(両端が道路に接続する場合は1.2m以上原則60m以内60cm以上(敷地内通路2m未満型は75cm以上)100㎡以上高さ10m以下・階数2以下
横須賀市農道等4m以上/敷地は2m以上接道未確認未確認未確認階数2以下(地階を除く)
小田原市公開されている手引きPDFに基準の数値の記載を確認できませんでした(未確認)
平塚市包括同意基準の一覧ページはありますが、掲載PDFを確認したところ44条・高度地区・総合設計の基準で、43条本体を特定できませんでした(未確認)

※ 横須賀市・小田原市・平塚市の数値は、公開資料からは特定できませんでした。窓口(建築指導課等)での確認が必要です。この3市については、判明しだい追記します。

効いてくるのは3つの数字

1. 行き止まりの長さ

路地の奥の家で、いちばん結論を左右するのがこれです。

横浜市の20mと厚木市の60mでは、3倍の差があります。「うちは奥まっているから無理」と諦める前に、どの行政庁の管轄かを確かめてください。

2. 通路の幅

1.8mが基本ラインです。ただし例外が2つあります。

3. 外壁の後退

許可を取るときに、隣地や通路から建物の外壁を何センチ下げるか。ここも違います。

10cmの差ですが、間口の狭い敷地では間取りが変わる大きさです。

許可が取れるかは市の判断です。並行して、今の状態でいくらになるかも見ておく

43条の許可を待つ間も、固定資産税と管理の手間はかかり続けます。再建築不可のまま買う会社がいくら出すかを知っておくと、「許可を取ってから売る」「今売る」の比較ができます。

残された4つの道を見る

手数料と建築審査会

2項2号 許可2項1号 認定建築審査会
横浜市33,000円27,000円未確認
小田原市33,000円未確認「不定期に開催」と明記。審査会用にA4の付近見取図・A4の配置図が別途必要
その他未確認。各市の建築指導部局へ

手数料は33,000円で横並びの可能性が高いのですが、問題は時間です。包括同意基準に当てはまらず審査会にかける場合、開催が不定期だと、そこで数か月止まることがあります。売却のスケジュールを引くときは、ここを見ておいてください。

調べられなかったこと(正直に書きます)

いずれも窓口に電話すれば答えが返ってくる範囲の内容です。分かりしだい、このページに追記します。

よくある質問

43条2項2号の許可は、誰が出すのですか。
特定行政庁です。神奈川県内では県のほか、横浜・川崎・横須賀・藤沢・相模原・鎌倉・厚木・平塚・小田原・秦野・茅ヶ崎・大和の12市が特定行政庁になっています。この12市以外の市町村は神奈川県が特定行政庁で、県の基準が適用されます。
包括同意基準に当てはまれば、必ず建て替えられますか。
いいえ。43条2項2号は「認定」ではなく「許可」です。包括同意基準は、建築審査会が個別に同意しなくてもよい類型をあらかじめ定めたものにすぎず、最終的な判断は特定行政庁が行います。事前相談が必須です。
許可の手数料はいくらですか。
横浜市は43条2項2号の許可が33,000円、43条2項1号の認定が27,000円と公表しています。小田原市も33,000円です。他市の金額は各市の建築指導部局にご確認ください。
建築審査会はいつ開かれますか。
小田原市は「不定期に開催」と明記しています。他市の開催頻度・締切は公表されていないことが多く、窓口で確認が必要です。審査会にかけるには通常、通路の現況図・配置図などを別途そろえる必要があります。
2項1号の「認定」と2項2号の「許可」は何が違うのですか。
2項1号の認定は、幅員4m以上の農道など一定の道に2m以上接している場合に使えるもので、建築審査会の同意が不要です。2項2号の許可は、それに当てはまらない場合に建築審査会の同意を得て個別に許可を受けるものです。手数料も認定のほうが安く設定されています(横浜市で27,000円と33,000円)。

出典:神奈川県「特定行政庁一覧」/同「建築基準法第43条第2項第2号 包括同意基準」、横浜市・藤沢市・茅ヶ崎市・厚木市・小田原市・横須賀市の各公式ページおよび許可基準PDF(いずれも2026年9月10日確認)